|鬼門・裏鬼門が大事と言われる理由を知ろう!
私の幼少の頃の田舎の親戚のお話です。
お正月になると親戚の家に行くのが楽しみでした。
当時の親戚の家は、平屋で大きな家でした。
玄関を入ると大きな土間が有り、そこには農機具や秋に収穫した野菜があり、天井は無く萱葺きの屋根裏が丸見えです。
その親戚の家のトイレは入口の脇に農機具の収納用の納屋がありその奥にありました。
トイレに行くには、玄関脇の入口から納屋を通ってその奥です。
お正月、親戚の家にお泊りに行きますが、トイレに行きたくなったときは心細い思いをして行きました。
トイレの入り口のドアは木製のドアです。中に入ると木製の窓が一つ付いています。
もちろん当時は、今のような水洗式のトイレではなく、ぽっとん便所(汲み取り式)です。
用を足すために、和式の便器の蓋をあけます。すると、便器の下から冷たい風が吹きあがってくるのです。
中を覗いても真っ暗、中から手が出てきそうなトイレです。
どうしょうもない私は便器にまたがって用を足します。
すると数分もしないうちに、風の冷たさでお尻が冷たくなるのです。体を暖かくしていても、用を足し終えるころは、お尻からお腹まで冷え切ってしまい、ブルブルガタガタと寒さに震えながらトイレを後にします。
何を言いたいのかといえば、昔のトイレは衛生面が悪くとても寒かったということです。
昔から
・北のトイレは子どもができぬ
・南のトイレは病人が出る
などと言い伝えられてきましたが、
寒いトイレで用を足しているとお腹が冷えて、妊娠している若いお嫁さんは、お腹の子どもに影響が出るということでしょう。
暑い時期は南側のトイレの汲み取り式では衛生的とは言えなかったので、伝染病などの危険もありました。
つまり、体を冷やしたり、環境が不衛生では何かと病気になりがち、当然、体に障る。
それが方角に原因がありと考え、そちら方角にはトイレは向きません。とか
例えば別の話ですと。西側のキッチンは夏、西日が当たり温度が高くなります。
その影響で、「食品の傷みが激しく、食中毒にも、なりやすい。」
要は、昔の家は性能も悪く家の中の環境が今ほど良くなかったので、間取りとして家ではカバーできないから方位を気を付けましょうという教訓なのです。
今の家は、昔の家に比べとても住みやすいのです。
生活スタイルまでが良くなった現代では、衛生面から室内の温度差まで全然違います。
家を建てるときには、お年寄りや昔の風習にこだわる人が鬼門に口うるさく言うのは当たり前です。
しかし、なぜそのように言うのかという理由を理解していれば、変に風水や昔ながらの風習にとらわれすぎないで済みます。
人間は弱い一面も持っています。住み始めてから家族が病気になったり、仕事がうまくいかなくなったりとなっては大変ということで、人は何かに頼ろうとします。
物事には原因ございます。良くなるにも、悪くなるにも原因があります。
物の道理と言いますが、その道理を間違えなければ本来は平穏な生活が出来るのです。
決して占いや風水が「だめだ。」と言っているわけではないです。
頼るというより、参考にして建物の、動線計画に生かして頂きたいと思います。
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